リフォームのひらめきは誰を思っておりるのか
工事士の方の坂本です、こんにちは。
人には人の考えがあるものです。お金を取るか尊厳を取るか、自分を守るか相手を守るか、食事をするか仕事をするか。だから好みもみんな様々ですね。
リフォームの現場に関わっていると、‟もっとこうしたしたらいいのに”と、現場の声を聞いたり僕が思ったりすることが時々あります。僕ら電気工事屋の仕事の中でも、‟壁のスイッチはこっちにあった方が使いやすそうだ”とか、‟ここはダウンライトの方が部屋の雰囲気に合っている気がする”とか、僕が感じることもありますし、他の職人さんの声を聞くこともあります。
それって、僕が‟思っている”だけで良いのでしょうか? 或いは現場の声というものは、工務店様や施主様のところまで届けなくても良いのでしょうか?
もちろんそれでよしとする考え方も大いにあります。何度も話し合いを行い、何度も練り直されてようやく辿り着いた‟答え”には、ちゃんと意味があるのだからと。
そうです、間違いありません。あくまでもリフォームの現場は、使う人にとっての最善のものに、いかにして近づけるかが第一です。人には人の生活スタイルがあるし、趣味もあるし、家族構成もあるし、職業病や、まあ、性感帯なんてものもあります。現場も様々な顔をして当然ですね。
だけど中には僕の考えなんかも参考にしてもらえたらいいなと、どうしても思ってしまう現場もあるのです。工務店さんからいただくお仕事にはほぼありません。‟ここの配線は露出配線でいいよ”なんて工務店さんに言われたところを、どうにか壁や天井の中を通して隠ぺい配線にできた時は、正直、電気屋として最高に喜ばしい瞬間かも知れないのですが、まあ、そのへんの話はちょっと今回は関係ないですね。直接施主様から電気工事などのお話をいただいた時には、御意向とは少なからずズレてしまうことでも、時として僕もご提案させていただくようにしているということです。それはもちろん、あくまでも僕の考えの中では、断然その方が施主様にとって良いものになるからです。
具体例がなく、漠然とした話ですが、なんというか、施主様が一番何を望んでいるのかと、現場なりに考えていきたいです。誰に教わったのかって、もちろんこれまでに関わってきた全ての人からです。
先日、うちで受けた図面もなかったようなリフォームの現場がありました。施主様と何度か打ち合せをし、ざっくりとした完成図ができました。
大工さんにそれをお渡しし、現場を見ていただきました。すると大工さんは正確な図面を作ってきてくれました。ありがとうございます。
ただ、それだけではありませんでした。大工さんがくれた図面はもう一枚ありました。それはうちと施主様で決めたレイアウトをがらりと変えて、より空間が活かされるように計算されたまったく新しい提案だったのです。そして施主様に確認したところ、予算を変更してまで、新しい図面が採用されたのです。
僕も感性をもっと鍛えないとなりません。これからも地道に一歩ずつ進んでいきたいです。